- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19:2020/02/11 WHO命名)
- 2019年11月に中国武漢で発生が確認された、2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:2020/02/11 ICTV命名)によって発症するウイルス性呼吸器疾患 日本では、2020/02/01より1年間の予定で、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法:1999/04/01施行)に基づいて強制的な入院などの措置を取ることができる指定感染症に指定された。
- COVID-19:Coronavirus disease 2019(コビッド-ナインティーン) WHO:世界保健機関 ICTV:国際ウイルス分類委員会
- ■感染経路・潜伏期間
- 飛沫感染(くしゃみや咳、つばなどの飛沫から感染)
- 接触感染(ウイルスが付着した物の表面を触った手により、口腔、鼻腔、眼から感染) が疑われている。
潜伏期間は1~12.5日(多くは5~6日)とされ、感染者は14日間の観察が推奨されている。 初期症状が軽い人や無症状とみられる、感染しているかどうかの見分けがつきにくいケースも多く、強い症状が表れる時期にほかの人へウイルスを感染させるリスクがもっとも高くなる。- 2020/04/13、韓国で再陽性の報告があり、原因がウイルスの「再活性化」なのか、「再感染」なのかの謎を調べている。
- 感染経路は、
- ■感染予防/リスク軽減
- マスクの着用(咳エチケット)
- 石鹸やアルコール消毒液(60%以上)などによる手洗い
- 人込みを避ける
- 人と人の間に物理的な距離(2m以上)をあける。(ソーシャル・ディスタンス)
- 一番効果が有るのは、他者に対する「
責任ある行動 」です。
- ■感染の症状
- 初期症状では軽症で、発熱や咳など風邪のような症状がみられるほか、嗅覚・味覚障害が生じることがある
- 発熱が4日以上続く
- 強いだるさや息苦しさがあり、長引く
- 重症化すると肺炎を発症する(高齢者や持病のある方は特に注意)
- ■検査
- PCR法等による遺伝子検出法(鼻咽頭ぬぐい液、あるいは喀痰)
- イムノクロマト法による抗体検出法(血液、血清)
- 実施されている検査はPCR検査で、 医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に、各自治体と相談の上で検査することになり、その際は、疑似症として保健所に届け出後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになる。 となっているが、 原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とし、軽症例には基本的にPCR検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。 となってて、一律の検査は行われていない。 補足▼
- ■緊急事態宣言
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法の第32条に基づき、「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」特別法を発令するための宣言。 (この法律[平成二十四年法律第三十一号]は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。公布2020年3月13日)
- 政府対策本部長が、期間、区域、事案の概要を示して宣言されるが、具体的な措置は都道府県知事が行う。 補足▼
2020年4月7日に 、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づき、緊急事態宣言が発出された。 期間は、2020年4月7日から5月6日までの1か月間 区域は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県2020年4月16日に 、発出されていた緊急事態宣言の対象地域が、全国の都道府県に拡大された。 期間は、2020年5月6日まで
- ■COVID-19で、よく見る・聞くようになった用語
カタカナ用語 クラスター 感染者の集団 アウトブレイク (集団感染)感染症の突発的発生や、小規模な集団感染によってできた感染者の集団発生のこと。特に、ある地域や、医療施設内に限って、病気が急増することを指す。 オーバーシュート 爆発的患者急増:爆発的な感染拡大を伴う大規模流行 ロックダウン (都市封鎖)新型コロナウイルス感染症流行による外出制限・封鎖。 外国では強制力を伴う行動制限で違反者に罰則(罰金・禁固刑)を科すところも多く、フィリピンでは「射殺許可」で実際死亡している。 パンデミック 世界的な大流行 エピデミック 「流行」のことで、病気の発生が、通常の状態よりも明らかに多い状態。パンデミックまで至らない状態を指す場合もあるが、広い意味では、パンデミックもエピデミックの一種と考えられる。 エンデミック 特定の地域などで、普段から継続的に病気が発生すること。風土病、地方病なども含む。 エビデンス この治療法がよいといえる証拠。医療の内容全般、薬や治療方法,検査方法などがよいと判断できる証拠のこと。 日本語その他 濃厚接触者 感染が確定した以降に発病した者と、同居あるいは長時間の接触があった者。 医療崩壊 新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、医療従事者や医療器具が不足、重症者の治療に手が回らなくなり、医療提供体制が成り立たなくなった状態を医療崩壊と表現するようになった。 院内感染 病院内で細菌やウィルス等の病原体に曝露(ばくろ)して生じた感染で、一般に入院して3日目(48時間以上)以降に発病した場合を院内感染とみなされる。 サージカルマスク 主に米国食品医薬品局(FDA)が定めている医療機器クラス1又はクラス2で規定されている医療現場もしくは医療用に使用されるマスク。日本では、風邪や花粉症などに用いられる一般向けマスクもサージカルマスク(不織布マスク)と呼ばれ、マスクに使用されるフィルターにより、カットできる粒子の大きさが異る。 N95マスク NIOSH(米国労働安全衛生研究所)のクリアフィルター素材のN95規格、0.3µm以下の微粒子を95%以上捕集する性能を備えた、呼吸器感染のリスクを低減するマスク。
感染症疫学の用語▼
時間に関する用語▼
症例に関する用語▼
- ■治療薬
- 既存の感染症薬が治療薬として利用する候補があり、臨床試験も始まっている。
- 臨床試験は、治療薬の安全性及び有効性を評価するためのアダブティブ、無作為化、二重盲検、プラセボ対象試験を行う。(アダブティブとは、比較し得るくらい効果がありそうな治療薬が出てきた場合には、その薬も候補に入れて治験するという意味。) プラセボ対象試験は、片方は臨床試験薬、もう片方はプラセボ(偽薬)を投与する2つのグループに割り付けて行うという。どちらの対象になるかは無作為で、患者も医師も、誰にどちらの薬が投与されているのか分からない二重盲検で行う。 主要評価項目は、投与開始から15日目における被験者の臨床状態、以下の8項目で評価判断される。 ・死亡 ・入院、侵襲的機械的人工的喚気または「ECMO(エクモ)」(体外式模型人工肺)の使用 ・入院、非侵襲的人工的喚気または高流用酸素装置の使用 ・入院、酸素補給が必要 ・入院、酸素補給が不要・治療の継続は必要(COVID-19関連またはそれ以外) ・入院、酸素補給が不要、治療の継続も不要 ・入院なし、活動の制限及び/または自宅での酸素療法が必要 ・入院なし、活動に制限なし 被験者は、COVID-19への感染(肺炎発症)が示唆される症状の成人。 (肝臓、腎臓の機能に問題がある患者や、妊娠また授乳中の患者は対象外) 期待されてる治療薬の候補▼
- ■ワクチン
- 現在、RNAまたはDNAをベースとしたワクチンの開発が進められているが、完成までには早くても1年以上は掛かると言われている。
- ワクチン開発だが、ワクチンの接種などにより起こりうる「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象(本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進。その後、ウイルスに感染した免疫細胞が暴走し、あろうことか症状を悪化させてしまうという現象。)があるため、安全性や有効性の検証が大切である。 ワクチンの開発状況▼